大学のレポートでは、調べた事実を整理するだけでなく、

「その事実から、何が言えるのか」

「自分は、どのように考えたのか」

を書くことが求められます。

もちろん、課題として指定された内容に沿って書くことが前提です。ただ、考察や分析を求められているレポートで、教科書やインターネットに書かれている一般的な事実を並べただけでは、書いた人の考えが見えてきません。

そこで役に立つのが、図やグラフです。

数字で示せる根拠は、文章だけで説明するよりも、図やグラフにした方が伝わりやすくなります。

今回は、エクセルを使って棒グラフを作り、パワーポイントに貼り付けるまでの方法を説明します。

棒グラフは、自分の主張を支える道具です

棒グラフを使うと、複数の項目の大きさを簡単に比較できます。

例えば、次のような患者数のデータがあったとします。

診療科入院患者数外来患者数
内科4530
外科1520
小児科55
産婦人科12

数字を表に並べるだけでも内容は分かります。

けれども、棒グラフにすると、内科は入院患者数が多いこと、小児科は外来患者数が突出して多いことが、ひと目で分かるようになります。

表は、正確な数字を確認することに向いています。

一方、棒グラフは、項目ごとの差を直感的に伝えることに向いています。

何を伝えたいのかによって、使い分けるとよいでしょう。

① エクセルに数字を入力します

最初に、エクセルへ数字を入力します。

横方向に、

「入院患者数」

「外来患者数」

という項目を置きます。

縦方向には、

「内科」

「外科」

「小児科」

「産婦人科」

と診療科名を並べ、それぞれの数字を入力します。

数字だけでなく、診療科名や項目名も忘れずに入れてください。グラフを作成したとき、これらが横軸の項目や凡例として使われます。

② グラフにする範囲を選択します

次に、グラフにしたい範囲を選択します。

今回であれば、診療科名、入院患者数、外来患者数を含む表全体を選びます。

数字の部分だけを選択してしまうと、どの棒が何を示しているのか分からないグラフになってしまいます。

項目名まで含めて選ぶことがポイントです。

③ 画面上部の「挿入」をクリックします

範囲を選択したまま、エクセルの画面上部にある「挿入」をクリックします。

「挿入」の画面には、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなど、さまざまな種類のグラフが表示されます。

今回は、複数の診療科について入院患者数と外来患者数を比較したいため、棒グラフが適しています。

④ 「おすすめグラフ」をクリックします

どのグラフを選べばよいか迷ったときは、「おすすめグラフ」をクリックします。

選択したデータに合いそうなグラフが、自動的に表示されます。

今回のようなデータであれば、それぞれの診療科に2本の棒が並ぶ「集合縦棒グラフ」が分かりやすいでしょう。

入院患者数と外来患者数を、同じ診療科の中で比較できるからです。

⑤ 使いたいグラフを選んで「OK」を押します

表示された候補の中から、使いたいグラフを選びます。

グラフを選択したら、「OK」を押してください。

これで、エクセル上に棒グラフが作成されます。

この段階では、グラフのタイトルが「グラフタイトル」のままになっていることがあります。

そのままにせず、

「診療科別の入院患者数と外来患者数」

など、グラフの内容が分かるタイトルに変更しましょう。

⑥ 作成したグラフをコピーします

完成したグラフをクリックして選択し、コピーします。

キーボードを使う場合は、

「Ctrlキー+C」

でコピーできます。

グラフの一部分ではなく、グラフ全体が選択されていることを確認してください。

⑦ パワーポイントに貼り付けます

次に、作成したグラフを、レポートや発表資料に貼り付けます。Wordやパワーポイントなど、提出する形式に合わせて使ってください。

ここでは、パワーポイントに貼り付ける場合を示します。

キーボードを使う場合は、

「Ctrlキー+V」

で貼り付けられます。

貼り付けた後は、スライドの大きさに合わせて、グラフの位置やサイズを調整します。

グラフを無理に横へ広げたり、縦に縮めたりすると、棒の太さや文字の形が不自然になることがあります。

四隅をつかんで、縦横の比率を保ちながら拡大・縮小すると、見やすく仕上がります。

⑧ 文字を大きくします

グラフを貼り付けたら、文字の大きさを確認します。

診療科名、数字、凡例、グラフタイトルなどが小さすぎると、読み手は内容を確認できません。

読む人のことを考えて、十分な大きさに調整してください。

グラフを作った本人には、何が書かれているのか分かっています。そのため、多少文字が小さくても読めてしまいます。

しかし、レポートを読む先生は、そのグラフを初めて見る人です。

「自分が読めるか」ではなく、

「初めて見る人が、無理なく読めるか」

という視点で確認するとよいでしょう。

40歳以上は、老眼なのです。

⑨ 自分の意見や主張を書きます

グラフが完成したら、最後に自分の意見や主張を書きます。

今回のグラフであれば、

「小児科は外来患者数が多い」

ということが読み取れます。

この一文があることで、読み手は、

「このグラフのどこを見てほしいのか」

を理解できます。

グラフを載せただけでは、読み手に解釈を任せていることになります。

自分がどこに注目し、そこから何を考えたのか。文章で、はっきりと示してください。

グラフから分かることと、分からないこと

ここは、レポートを書くうえで注意したいところです。

今回のグラフから分かるのは、

「小児科の入院患者数は5人で、外来患者数は55人である」

「小児科では、入院患者数より外来患者数の方が多い」

という事実です。

一方で、

「なぜ小児科では外来患者数が多いのか」

という理由までは、このグラフだけでは分かりません。

外来患者数が多い理由について書くのであれば、別のデータや文献が必要です。

グラフに示されている事実と、そこから自分が推測したことを混ぜないようにしましょう。

例えば、

「小児科では外来患者数が多かった。これは、小児科では入院を必要としない軽症患者が多いためだと考えられる」

と書く場合、前半はグラフから確認できる事実です。

後半は、自分の考察になります。

そして、レポートで差がつくのは、後半の「自分の考察」です。

さらに、その考察を支持するデータや文献まで提示できれば、かなり説得力のあるレポートになると思います。

前提・分析・結論

前提

考察を求められる大学のレポートでは、一般的な事実をまとめるだけでなく、その事実から自分が何を考えたのかを示します。

分析

数字を棒グラフにすると、項目ごとの差が見えやすくなります。ただし、グラフを置いただけでは、自分がどこに注目したのかは伝わりません。

結論

読みやすいグラフを作り、そのグラフから読み取った自分の意見や主張を書く。そこまで行って、棒グラフがレポートの根拠になります。

こあら先生のひとりごと

大学の先生は、その分野の「事実」をすでによく知っています。ですから、それを並べ直しただけのレポートでは、あなたが何を学んだのかは、あまり伝わりません。

先生が知りたいのは、その事実をあなたがどう理解し、どう分析し、何を考え、どんな主張にたどり着いたのか。たぶん、そこですよ。