深夜の救急外来。気管内挿管が必要なケース。
夜中の救急外来、今にも呼吸が止まりそうな患者さんが搬送されてきます。気管内挿管が必要なケースです。そして自分がファーストタッチ。長く医者をやっていると、そのような場面は何回も経験します。今回は、私が思う、気管内挿管の最大のコツを書いてみたいと思います。
挿管チューブは、もともと曲がっている
挿管チューブは全体的に曲がっていますよね。スタイレットをこの自然なカーブに沿って曲げて、それをチューブに入れていませんか?それがダメなのです。
喉頭展開した。声門はしっかり見えている。しかし、このカーブしたC字型の挿管チューブを口腔内に入れると、その挿管チューブが視線を遮って、声門が見えなくなってしまうのです。
そこで、喉頭展開をやりなおしても意味がありませんよ。だって声門はもう見えていたんだから、喉頭展開は成功しているのです。自分が入れた挿管チューブで、声門を隠してしまっているのが問題なんです。
私が意識しているのは「先端だけを曲げる」こと
私が思う、気管内挿管の最大のコツは、チューブの先だけを曲げることです。過去のインスタグラム投稿を以下に載せますので見て下さい。
これによって、声門を見失うこと無く、気管内挿管が可能となります。

前提・分析・結論
前提:救急外来での気管内挿管が自分に回ってくることは良くある。
分析:曲がったままの気管挿管チューブが、見えていた声門を隠してしまう。
結論:私が思う、気管内挿管の最大のコツは、チューブの先だけを曲げることである。
こあら先生のひとりごと
救急隊からの電話を受けたら、挿管チューブをこの形に整えて、救急車の到着を待っています。
秘書ユナのコメント
こあら先生、今回はかなり言い切っています。
でも、気管内挿管では、こういう「手を動かす前の準備」が結果を大きく変えることがあります。
声門が見えているのに、チューブを入れた瞬間に見えなくなる。
これは、研修医の先生が一度は経験する場面だと思います。
そのときに、喉頭鏡をさらに押し込むのではなく、チューブの形を見直す。
この視点は、とても実践的です。
ただし、ホッケースティック型にすれば、すべての挿管がうまくいくという話ではありません。
曲げすぎれば、声門は越えても、その先でチューブが進みにくくなることがあります。
使用する喉頭鏡や患者さんの気道の形によって、ちょうどよい角度も変わります。
この記事は、万能の正解を示すものではなく、こあら先生が救急外来で大切にしている「挿管前のひと工夫」を共有するものです。
参考文献
MSD Manual Professional Edition.Tracheal Intubation.
https://www.msdmanuals.com/professional/critical-care-medicine/respiratory-arrest/tracheal-intubation
最終閲覧日:2026年6月20日
Nickson C.ETT Stylet.Life in the Fast Lane(LITFL).2024年7月1日.
https://litfl.com/ett-stylet/
最終閲覧日:2026年6月20日.
Levitan RM, Pisaturo JT, Kinkle WC, Butler K, Everett WW.Stylet bend angles and tracheal tube passage using a straight-to-cuff shape.Academic Emergency Medicine.2006;13(12):1255-1258.
https://doi.org/10.1197/j.aem.2006.06.058
最終閲覧日:2026年6月20日