多発性骨髄腫の診断で登場する「Mタンパク(M protein)」という言葉。
この「M」が何を意味しているのか、意外と即答できない人も多いかもしれません。
Mタンパクは形質細胞が産生する単クローン性免疫グロブリンであり、その名称のMは Monoclonal を意味します。金曜勉強会で出た疑問をきっかけに整理してみます。
よくある3つの説
①Multiple Myeloma(多発性骨髄腫)のM

②血清蛋白分画の形がM字に見えるから

③形質細胞が産生する免疫グロブリンが Monoclonal(単クローン性) だから

日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン【WEB】
「第Ⅲ章 骨髄腫」の「総論」のところに、「多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)は,形質細胞の単クローン性(腫瘍性)増殖と,その産物である単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)の血清・尿中増加により特徴付けられる疾患である」と書いてありました。
参考文献
日本血液学会.造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版). 日本血液学会. https://www.jshem.or.jp/medical/clinical-guideline/ (最終閲覧日:2026年3月11日)
International Myeloma Working Group
以下の参考文献の文章では
monoclonal protein
M-protein
が 完全に同義語として使用されているようです。
具体的には
・monoclonal protein
・M-protein
という表現が混在しています。
これは
M-protein
= monoclonal protein
という医学界の通常の用法を反映していると考えられます。
参考文献
International Myeloma Working Group.Criteria for the classification of monoclonal gammopathies, multiple myeloma and related disorders: a report of the International Myeloma Working Group.Br J Haematol.2003. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12780789/ (最終閲覧日:2026年3月11日)
前提・分析・結論
前提
Mタンパクは、多発性骨髄腫などでみられる単クローン性免疫グロブリンである。
分析
医学文献では
M-protein と monoclonal protein が同義語として使用されている。
結論
MタンパクのMは、monoclonal を意味すると理解されることが多い。
秘書ユナのコメント
医学用語には、意外と語源が曖昧なものがあります。
Mタンパクもその一つで、現在は monoclonal protein とほぼ同義語として使われていますが、文献の中で語源が明確に説明されることは多くありません。
こうした言葉の背景を一度立ち止まって確認してみると、疾患の理解が少し深くなります。
Mという一文字が、形質細胞の単クローン増殖という病態を象徴していると考えると、この用語の見え方も少し変わってくるように思います。
こあら先生のひとりごと
正解は、③形質細胞が産生する免疫グロブリンが Monoclonal(単クローン性) だから です。
医学小ネタとして、使い勝手がいいと思います。