心電図(electrocardiogram)を見たとき、モニター表示がなくても心拍数を瞬時に推定できると診療のスピードが上がります。RR間隔から心拍数を求める「300の法則」は基本ですが、私はこの方法を実際に使っています。暗記ではなく、現場でどう使うかを整理してみます。
RR間隔から心拍数を読む「300の法則」
心電図の大きなマス(5mm)を基準に考えます。
QRS波とQRS波の間が「1マス」なら、心拍数は「300/分」なのです。

QRS波とQRS波の間が「2マス」なら、心拍数は「150/分」なのです。

QRS波とQRS波の間が「3マス」なら、心拍数は「100/分」なのです。

QRS波とQRS波の間が「4マス」なら、心拍数は「75/分」なのです。

QRS波とQRS波の間が「5マス」なら、心拍数は「60/分」なのです。

QRS波とQRS波の間が「6マス」なら、心拍数は「50/分」なのです。

実際の診療でこの方法を使う場面
外来をやっているときに、病棟の看護師さんがモニター心電図から出てくる紙を持ってくることがあります。その紙にはHR◯◯と書いていない時があります。また書いていても小さすぎて見えないのですよ。そんなときに、300, 150, 100と数えて、心拍数は90くらいですね、と即答できると、判断が早くなります。
この方法が使えない場面(不整脈)
この方法は、RR間隔が規則的な場合に有効です。不整脈(atrial fibrillationなど)ではRR間隔がばらつくため、この方法は使えません。その場合は、一定時間内の拍数を数える方法に切り替えます。
秘書ユナのコメント
この方法は「計算」ではなく「反射的に出る数列」として覚えると実用的です。
九九もそうですね。
前提・分析・結論
前提:心電図の紙にもモニターにも、通常は心拍数が数値として表示されている。
分析:ただ、現場ではその数字が読めない場面もある。紙が切れていることもありますし、表示が小さくて一瞬で把握できないこともある。そのときにRR間隔から心拍数を即座に見積もれると、判断の初速が変わる。
結論:そのために、この数列は頭で覚えるというより、体に入れておくとよいと思っています。