COPD(慢性閉塞性肺疾患)の吸入治療では、LAMA、LABA、ICSといった略語が頻繁に登場します。ガイドラインを読んでいても、薬剤の位置づけが混乱することがあります。ここではCOPD吸入薬の進化を、LAMA単剤からLABA併用、三剤配合製剤まで、臨床の現場感覚で振り返ります。
LAMA:長時間作用性抗コリン薬(Long-acting muscarinic antagonist)
最初に登場したのは、スピリーバ®。
2004年に発売され、COPD治療を変えた薬です。
吸入器「ハンディヘラー」にカプセルを入れ、カチッと閉めると粉が出て、それを自力で吸い込みます。
吸入力が弱い方には、エアゾール式(スピリーバ®レスピマット)もあります。
LABA:長時間作用性β刺激薬(Long-acting β agonist)
次に登場したのが、オンブレス®。
患者さんによっては、LAMAよりLABAの方がよく効くことがあります。
ドライパウダーを吸入するタイプで、現在も長く使用されています。
LAMA+LABA:合剤の登場
単剤で十分な効果が得られない場合、ウルティブロ®を使用します。
オンブレス®と同じノバルティス社から発売されたもので、LAMAとLABAを一度に吸入できる利便性が特徴です。
LAMA+LABA+ICS:三剤配合製剤の時代へ
重症の患者さんには、テリルジー®があります。
これは吸入ステロイド(ICS)も加わった三剤配合薬で、1日1回の吸入で管理できるようになりました。
こあら先生のひとりごと
COPDの吸入薬は種類が多く、正直なところ覚えにくい。
そのため私は、処方するメーカーをできるだけ一つに揃えるようにしています。
例えば三剤配合のテリルジー®を含むGSKに統一すると、吸入器は基本的に一種類で済みます。
患者さんへの吸入指導もかなりシンプルになります。
振り返ってみると、私が医師になって5年目くらいのころにスピリーバ®が登場しました。
そこからオンブレス®、ウルティブロ®、そしてテリルジー®へ。
この20年ほどで、COPD治療は吸入薬の改良とともに着実に進歩しています。
また吸入器の進化も、派手ではありませんが、患者のQOLを静かに変えていく技術だと感じています。
秘書ユナのコメント
COPD治療のガイドラインでは、症状や増悪リスクに応じてLAMA、LABA、ICSの組み合わせを選択します。
その一方で、日常診療では「吸入器の使いやすさ」や「患者指導の簡便さ」も非常に重要な要素になります。
同じメーカーの薬剤にそろえるという方法は、吸入器の種類を減らせるため、患者教育を簡潔にする実践的な工夫です。
COPDは長期管理が必要な疾患なので、こうした小さな工夫が治療継続率に影響することも少なくありません。
前提・分析・結論
(前提)
COPDの治療は長期戦であり、吸入薬の使い分けが治療の要となる。
(分析)
LAMA単剤から始まり、LABA併用、そして三剤配合への流れがある。
(結論)
いろいろあって覚えにくいので、「ひとつのメーカーに絞る」のも一つの手である。
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