こあら先生のひとりごと

血液ガスを見ていると、「アシデミア」と「アシドーシス」という言葉が出てきます。

僕は、この2つをあまり厳密に分けずに、だいたい全部「アシドーシス」と言っています。

でも、本当は、少し違います。

ざっくり言うと、

アシデミアは、血液が酸性に傾いている「状態」です。

一方、アシドーシスは、血液を酸性側に傾ける「病態」や「方向性」です。

たとえば、pHが7.26であれば、血液は酸性に傾いています。

この状態が、アシデミアです。

では、なぜ酸性に傾いているのか。

PaCO2が上がっているなら、二酸化炭素がたまって酸性に傾いているので、呼吸性アシドーシスと考えます。

たとえば、重症の気管支喘息発作などです。

一方、HCO3−が下がっているなら、アルカリである重炭酸イオンが減って酸性に傾いています。

この場合は、代謝性アシドーシスです。

たとえば、糖尿病性ケトアシドーシスなどが分かりやすい例です。

つまり、見る順番としては、

まず、pHを見る。

pHが低ければ、アシデミア。

次に、PaCO2とHCO3−を見て、なぜ酸性に傾いているのかを考える。

そこで、呼吸性アシドーシスなのか、代謝性アシドーシスなのかを判断します。

「いま酸性なのか」
「なぜ酸性になっているのか」

この2つは当然、分けて考えるのですが、それを「アシデミア」「アシドーシス」と2つの言葉で表現できると、ちょっとプロっぽいという、話でした。

秘書ユナのコメント

アシドーシスがあるからといって、必ずアシデミアになるとは限りません。

たとえば、代謝性アシドーシスがあっても、呼吸で二酸化炭素を下げる代償が十分に働いていれば、pHは正常範囲に保たれることがあります。

つまり、「アシドーシスはあるけれど、アシデミアにはなっていない」という状態もあります。