(金曜勉強会より No.277)
こあら先生
新人オリエンテーションで、ちょっと差をつける方法として「メモを取ること」をお勧めします。
看護師さん
そんなこと言われなくても、聞いたことを忘れないようにメモはしますよ。
こあら先生
それも大切ですが、「メモを取っている姿を相手に見せる」ことがもっと大切なんです。
看護師さん
媚びを売るってことですか? 実力で勝負したいんですけど……。
こあら先生
もう学校じゃないので、同じ教育を受けたり、同じチャンスをもらったりはできないのです。残念ですがね。
看護師さん
まあ、そんな気はしますが。
こあら先生
でも先輩に積極的に話しかけると、今度は同期の目が気になるという微妙なところも理解します。
看護師さん
同期とは仲良くしたいです。
こあら先生
そこで「メモ」です。メモを取っている自分を先輩に見てもらうのです。
人は、自分の話を聞いてくれる人が大好きなんですよ。
メモを取るという行動は、「あなたの話をちゃんと聞いています」というアピールになります。
看護師さん
なるほど。
こあら先生
コミュニケーション力に自信がない人ほど、メモを取り続けることをお勧めします。
そのうち、向こうから教育やチャンスがやってくるようになりますから。
看護師さん
了解しました!
秘書ユナの視点
静かに、でも確かに。
メモを取るという行動は、あなたの「聞く力」と「学ぶ姿勢」をそっと伝えてくれます。
誰よりも先に覚える必要はありません。
誰よりも派手に動く必要もありません。
ただ、あなたが見て、感じて、大切だと思ったことを、書きとめておく。
それだけで、信頼は少しずつ積み重なっていきます。
前提・分析・結論
前提
臨床現場では、最初の印象が「仕事を任せてもらえるか」を左右します。新人にとって「メモを取る姿勢」は、最も簡単で確実に信頼を得る方法の一つです。
分析
医療の現場では、教育機会は平等ではありません。限られた時間の中で、誰が学ぶ姿勢を持っているかを、先輩や上司は無意識に見ています。メモを取るという行動は、その姿勢を可視化する「非言語的メッセージ」になっています。
結論
「静かに印象を残す」とは、言葉ではなく行動で信頼を積み上げること。
派手に目立つよりも、丁寧にメモを取る。
その積み重ねが、確かな成長とチャンスを引き寄せます。