雑誌や論文を読んでいると「LAMA」「LABA」「ICS」など、略語ばかりで混乱することがあります。
ラーマとかラーバとか、あげくサーバとか……。
医療者であっても、最初は覚えづらいものです。

今回は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の吸入薬がどのように進化してきたのかを、臨床の現場感で振り返ります。

(1)LAMA:長時間作用性抗コリン薬(Long-acting muscarinic antagonist)

最初に登場したのは、スピリーバ®
2004年に発売され、COPD治療を変えた薬です。

吸入器「ハンディヘラー」にカプセルを入れ、カチッと閉めると粉が出て、それを自力で吸い込みます。
吸入力が弱い方には、エアゾール式(スピリーバ®レスピマット)もあります。

(2)LABA:長時間作用性β刺激薬(Long-acting β agonist)

次に登場したのが、オンブレス®
患者さんによっては、LAMAよりLABAの方がよく効くことがあります。
ドライパウダーを吸入するタイプで、現在も長く使用されています。

(3)LAMA+LABA:合剤の登場

単剤で十分な効果が得られない場合、ウルティブロ®を使用します。
オンブレス®と同じノバルティス社から発売されたもので、LAMAとLABAを一度に吸入できる利便性が特徴です。

(4)LAMA+LABA+ICS:三剤配合製剤の時代へ

重症の患者さんには、テリルジー®があります。
これは吸入ステロイド(ICS)も加わった三剤配合薬で、1日1回の吸入で管理できるようになりました。

(5)処方の実践的アドバイス

COPDの吸入薬は種類が多く、覚えにくいのが現実です。
私自身は「処方する会社を一つに決める」ようにしています。
たとえば、三剤配合のテリルジー®を含むグラクソ・スミスクライン(GSK)に統一すると、吸入器も1種類で済み、指導も簡潔になります。

(6)振り返り

医師になって5年目のころ、スピリーバ®が登場しました。
その後、オンブレス®、ウルティブロ®、そしてテリルジー®へと進化。
この20年ほどで、COPD治療は吸入薬の改良とともに着実に進歩しています。
また、吸入器の進化は、患者のQOL(生活の質)を大きく変える小さな技術革新の積み重ねです。

前提・分析・結論

(前提)
COPDの治療は長期戦であり、吸入薬の使い分けが治療の要となる。

(分析)
LAMA単剤から始まり、LABA併用、そして三剤配合への流れがある。

(結論)
いろいろあって覚えにくいので、「ひとつのメーカーに絞る」のも一つの手である。

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