線維化評価を日常診療に戻すという選択
肝臓の線維化評価には、実に多くの指標があります。
ヒアルロン酸、Ⅳ型コラーゲン7S、M2BPGi、オートタキシン。
いずれも「線維化マーカー」として知られ、専門外来では馴染み深い検査です。
一方で、FIB-4 indexのような「スコアリングシステム」も存在します。
年齢、AST、ALT、血小板数から算出される、あの指標ですね。
教科書にはこう書かれていますが、実際の診察室では、
これらを毎回きちんと使い分けている一般内科医は、決して多くありません。
僕の現場感覚としては、
血小板数だけで肝硬変を疑い、そこから先は専門科に委ねる。
この割り切りで、大きく困る場面はそれほど多くない、というのが正直なところです。
ただ、少し前に代診をした際、電子カルテの検査結果一覧に
「FIB-4 index」という項目が、当たり前のように並んでいるのを見つけました。
調べてみると、
FIB-4 index というオーダー項目が電子カルテ内に存在し、
その先生はそれを選択していました。
つまり、自分で計算する必要はなかったのです。
この場面で、私は一度立ち止まって考えました。
FIB-4は、
「面倒だから使われない指標」
ではなく、
「使える形で提供されていなかった指標」
だったのではないか、と。
血小板数とFIB-4 indexを、経時的に並べて眺める。
それだけで、線維化の進行や安定を、ある程度の解像度で追うことができます。
もちろん、線維化の程度が分かったからといって、
直ちに治療方針が大きく変わるケースは多くありません。
しかし、肝臓がんが発生した瞬間、話は一変します。
だからこそ重要なのは、
定期的な画像検査と腫瘍マーカー測定を、忘れずに続けること。
その前提として、線維化の「雰囲気」を掴み続けておくことです。
ちなみに、線維化マーカーの保険点数を調べてみると、
ヒアルロン酸、Ⅳ型コラーゲン7S、M2BPGi、オートタキシンはいずれも高価です。
一方、FIB-4 indexは、
いつもの採血データから自動算出されるだけ。
追加コストは、ほぼありません。
完璧な指標ではありません。
でも、日常診療で使い続けられる指標です。
前提・分析・結論
前提
・一般内科の現場では、線維化評価に割ける時間とコストは限られている
分析
・高価な線維化マーカーは有用だが、継続使用には向かない
・FIB-4 indexは電子カルテで自動算出でき、経時的評価に適している
結論
・血小板数とFIB-4 indexを並べて追う
・線維化評価を「特別な検査」から「日常診療」に戻す
これが、今の私の結論であり、持論です。
こあら先生のひとりごと
調べてみました。
ヒアルロン酸 1790円
Ⅳ型コラーゲン7S 1480円
M2BPGi 1940円
オートタキシン 1940円
fib-4 indexは、
年齢・AST・ALT・血小板数といった通常の採血項目から算出されるため、
追加の検査オーダーは不要で、実質的な追加コストはかかりません。