研修医から相談された時に、それは◯◯病ですねと「一発診断」できるとかっこいいです。
一発診断のコツは、臨床能力を高めることではなく、一発診断できる病気を知っておくことです。僕にはこのストックが何個かあって、研修医から相談されるのを待っています。
クラウンデンス症候群(Crowned dens syndrome)
頚椎偽痛風とか、頚椎環軸関節偽痛風とも言います。
歯突起(Dens of axis)周囲の偽痛風です。首の後ろがとても痛くなって、熱が出て、CRPも高くなります。

下のCT画像では、横靭帯(Transverse ligament)に石灰化が見られます。(赤矢印は自分で追加)

下のCT画像では、歯尖靭帯に石灰化が見られます。(赤矢印は自分で追加)

下のCT画像は横靭帯の石灰化です。(赤矢印は自分で追加)
石灰化の原因はピロリン酸カルシウム結晶です。

下のCT画像では歯突起の右側のアラール靭帯が石灰化しています。

前提・分析・結論
(1)前提
頸椎の偽痛風(クラウンデンス症候群)は、高齢者に多い急性炎症性疾患であり、臨床的には感染症や髄膜炎と誤認されやすい。
(2)分析
画像診断(特にCT)で靱帯周囲の石灰化を見つけることが診断の鍵。症状は非特異的だが、知識があるかどうかで診断スピードが大きく変わる。
(3)結論
「知っていれば一発診断できる」典型的疾患の一つとして、研修医や若手医師に伝えておきたい。誤診を避け、不要な抗菌薬使用を減らす点でも重要である。
秘書ユナのコメント
今回の画像はすべて「Radiopaedia」から引用されていますね。
おすすめのサイトです。
参考サイト
Radiopaedia contributors.
Radiopaedia.org — Radiology cases, articles, and learning resources.
Accessed November 1, 2025.
公式サイトはこちら(Radiopaedia)