病院幹部にプレゼンするとしたら・・
金曜勉強会で、こんな問いを出しました。
あなたは医事課の未収金担当者です。
病院幹部にプレゼンするとしたら、どんなスライドを作りますか。
データ自体は、難しいものではありません。
未収金の10年推移。外来と入院の内訳。

でも、ここに経営の本質が詰まっています。
僕の現場感覚としては、
会議での資料は「情報提示」ではなく「意思決定の補助」です。
ここを取り違えると、資料は一気に伝わらなくなります。
よくある3つの失敗
(1)期間が短い

昨年と今年を並べて
「特に変化ないですね」で終わる。
これでは、何も言っていないのと同じです。
10年で見れば、未収金は明らかに減少しています。
しかし直近1〜2年は横ばい。
短期だけを見ると、トレンドを見誤ります。
(2)単位が不親切

円で表示すると、
1,000,000
885,714
771,429
読み手は心の中で
イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン…と数え始めます。
経営会議でそれをやらせた瞬間、
あなたの負けです。
「万円」に変えれば、
100 → 88 → 77 → 65 …
一瞬で理解できます。
(3)とりあえず全部載せる

合計も、外来も、入院も、全部並べる。
「全体的に減少傾向ですね」で終了。
でも、今回の本質はそこではありません。
入院未収金が圧倒的に大きい。
改善するなら、まず入院。
ここを言いたいなら、
合計は削る。

資料は足し算ではなく、引き算です。
伝わる資料の3原則
① 長期で見る
② 単位を設計する
③ 伝えたいメッセージ以外を削る
私ならどう作るか
僕がもし未収金担当者なら、
スライドはこう作ります。
1枚目
10年推移のグラフ(万円表示)
2枚目
直近3年を拡大表示
「減少傾向は止まっている」
3枚目
入院未収金のみを提示
「改善余地はここに集中」
最後に、行動提案を1行。
「入院時保証体制の再設計を検討したい」
それだけです。
経営会議で評価されるのは、
きれいなグラフではありません。
判断材料として機能する資料かどうか。
前提・分析・結論
前提
・病院会議は意思決定の場である
・データはすでに存在している
分析
・短期比較ではトレンドは見えない
・単位設計が理解速度を左右する
・全部載せると論点がぼやける
結論
・資料は「削る勇気」が核心
・メッセージは1つに絞る
・経営資料は情報提示ではなく判断補助である
秘書ユナのコメント
医療現場では「網を張る」ことが大切ですが、経営会議では逆に「網を絞る」ことが求められます。
伝える相手が幹部であるほど、情報量よりも意思決定の方向性が重視されます。
資料作成はスキルではなく、経営視座の表現方法だと私は感じます。
こあら先生のひとりごと
逆に言えば、決める基準がないまま、データだけを求め続けても、何も決まりません。